俳句の練習17日目

今日も話題は「切れ」。

紹介されているのは、文章の語順を変える倒置法という技法です。

さくら咲く氷のひかり引き継ぎて 大木あまり

『30日のドリル式 初心者にやさしい俳句の練習帳』神野紗希著より

句中に切れを作る=意味を切断する、そのことにより謎を作り読者を作品世界に引き込むのだそうです。

 

いいたいことを途中で切って、いわないところを残す。もしくは、言葉の流れをせき止めて、沈黙の時間を挿入する。

同上書籍より

あえて切ることによる効果。「切れ」の奥深さが少しずつ少しずつ分かってきますね。

 

昨晩、私の住んでいる所では雪が降っていたのですが、突然、雷の音が聞こえてきて、かなり驚きました。降雪中の雷は初めて経験したのではないかと思います。

歳時記を見ると、「寒雷」「冬の雷」「雪起し」などの季語があるのですね。ネットでいくつか寒雷の句を探してみました。

寒雷やひじきをまぜる鍋の中 横山房子

恥ずかしながら自分でひじきを煮たことはないのですが、ひじきを煮ている時の黒光りする鍋の様子が浮かんできました。切れ字「や」が使われていますね。

寒雷や針を咥へてふり返り 野見山朱鳥

こちらも生活の中の一場面。私自身、雷は音以上にあの稲妻が苦手なのですが、雷が光ってドキッとする感じ、まさにその瞬間を感じるような句だと思いました。これも同じ「や」が使われています。

寒雷の響く都心に餅焦がす 田川飛旅子

さらにこちらも、まさに日常の風景。「都心に」のところで意味がきれてるので、そこに切れがあるということでいいのかな? などと考えながら鑑賞。ちょうど今朝、私も餅を焦がしました。。。

 

こちらの句も面白いなと思いました。

ニュートンを講じいるとき寒雷し 和田悟朗

冬の雷って珍しいから少し神秘性があるような。この句からはそんな感じを受けました。