俳句の練習20日目

20日目は、切れ字「けり」について。

「けり」は、主に一句の最後に置きますが、ときには中七(下五の前)に置かれることもあります。基本的に、用言(=動詞などの活用する語)に接続し、過去を回想したり、詠嘆の意を表したりします。

『30日のドリル式 初心者にやさしい俳句の練習帳』神野紗希著より

 

「けり」「なり」「をり」の違い

「けり」・・・そこで動作が終了したという意味合いが強い。

「なり」・・・「だ・である」と強く断定する意をもつ。

「をり」・・・現在進行形。〜している。

 

「なりけり」・・・さらに強い強調。深い感慨を述べる際に使う。

 

降る雪や明治は遠くなりにけり 中村草田男

テキストに、この有名な句が次のように紹介されていました。

切れ字はその前の言葉を強調して際立たせる効果があります。ですから、切れ字をいくつも使えば、一番強調したいものがわからなくなり、本末転倒です。

次の句は例外の名句です。

同上、書籍より

いつ知ったのかも忘れてしまったくらい、いつの間にか知っていた有名句ですが、ただ、ふーんと思っていました。なるほど、切れ字を学んで味わいが変化したように感じます。

さらに、こちらの句も切れ字が二つ使われている句として紹介されていました。

母死せるその夜や雛納めけり 岸田稚魚     同上、書籍より

なんというか、じーんを通り越してぐさっと来るような感じがしました。

 

ドリルは、上五+十二音(けり)で天気を詠んでみようという内容。

過去の自分の作が、 沈丁花生暖かく晴れにけり  と書いてありました。

たぶん沈丁花が好きで選んだと思うのですが、これだと字余り。

上五の植物(季語)だけ変えてみようかなと思い、歳時記をぺらぺら・・・

シクラメン生暖かく晴れにけり

今日のところはこうしておきます。