茂吉忌、忌日季語のこと

今日は冷たい雨が降っていて、とても寒いです。

でも、個人的には寒い以上に、とても眠い。春だから、でしょうかね。

春眠のつゞきの如き一日かな 高木晴子

(一日の読みはひとひ)   『今はじめる人のための俳句歳時記』角川書店編より 

『俳句の練習帳』は終わってしまったし、今日は何を書こうと歳時記を眺めていて、見つけた句です。今の私みたいに眠くて仕方ない1日だったのかなと思いました。

 

続けてぺらぺらと歳時記のページをめくっていると、「茂吉忌」という季語を見つけました。2月25日の今日は、歌人斎藤茂吉が亡くなった忌日で、季語になっているのですね。

季語になっている忌日、忌日季語といったりもするようですが、なかなか数が多い。

手持ちの歳時記の、春のところに載っているだけでも、茂吉忌の他に、

2月16日、西行忌(西行法師の忌日)

4月1日、三鬼忌(西東三鬼の忌日)

4月8日、虚子忌(高浜虚子の忌日)

4月13日、啄木忌(石川啄木の忌日)

がありました。

 

忌日季語を詠むのは難しいなんて話もあるようですが、超初心者からすると、鑑賞も難しいような気がします。。。

それで思い出したのが、『俳句の練習帳』にあった、こちらの句。

母の弾くショパンは昏し桜桃忌 江渡華子

『30日のドリル式 初心者にやさしい俳句の練習帳』神野紗希著より

桜桃忌は、小説家・太宰治の忌日(6月19日)、夏の季語です。

この句を見たとき、細かいことはわからなくても、ピアノを弾く女性の姿となんとなく暗い室内の様子、全体が悲しげな雰囲気を感じ、とても印象に残りました。

選ばれている季語が「太宰忌」でなく「桜桃忌」であることも、句の印象に影響を与えているのだろうと思います。

芥川龍之介の忌日(7月24日)は「河童忌」だったり、司馬遼太郎の忌日(2月12日)は「菜の花忌」だったり、忌日季語も奥が深そうです。

また機会があれば、忌日季語を鑑賞してみたいと思います。