レッスン25日目は、「省略」についてです。
ここでは主に、動詞と主語の省略について学びます。
水音と虫の音と我が心音と 西村和子
「聞く・聞こえる」が省略されています。
動詞を使わないことで、動詞の主語としての「音を聞いている私」が句の奥へとしりぞいて、より静かな気配をたたえた句になると思います。
『30日のドリル式 初心者にやさしい俳句の練習帳』神野紗希著より
口きいてくれず冬濤見てばかり 鈴木真砂女 (濤=なみ)
口をきいてくれない相手は省略されていますが、「君」のことだと、内容から十分推察できますね。
同上、書籍より
俳句ではいちいち、主語を明示しません。その俳句の主人公にはどんな人がふさわしいのか。それは、一句を前にした読者の想像にまかされています。
同上、書籍より
今日は、昨日天気予報を見て予想していたよりはたくさんの雨が降りました。止んだかなと思ったら、夕立のような激しさでざーっと降り出したりして、驚きました。
雨の季語を調べ始めたところ、今日はちょうど二十四節気の「雨水」の始まる日だと気づきました。そこで雨水の句。
夕空に晴れ間の見えし雨水かな 今井杏太郎
季語に限らないとは思いますが、雨を表現する日本語は400以上あるらしいです。
それぞれの季節の様々な雨の句を鑑賞してみたいものですね。