源氏物語 第12帖「須磨」

【あらすじ】

朧月夜との密会が発覚し、謀反の嫌疑をかけられ官位を剥奪された光源氏

流罪を恐れた光源氏は、自ら須磨へ退去します。

須磨では、都の人々と便りを交わしたり絵を描いたりしながら、寂しい日々を送っていました。

翌年2月、三位中将(頭中将)が須磨を訪れ、光源氏は再会を喜びました。

3月、光源氏が祓いのために海辺に出ると、突然暴風雨が起こり、須磨の人々は恐れ慄いたのでした。

 

朧月夜は帝の妃ではなく女官なので、いくら朱雀帝が寵愛しているからといって、女官と恋愛をしただけでは罪にはなりません。が、弘徽殿大后(こきでんのおおきさき、弘徽殿女御のこと)は、光源氏を失脚させたいので、謀反の罪を着せようとします。

右大臣一派に罪をつくり上げられ流罪になると、後の栄達は一切見込めない。光源氏が自ら須磨に退去し、恭順の姿勢を示した理由である。

佐藤晃子著『源氏物語解剖図鑑』より

先々のことまで考えての須磨行きなのですね。とはいえ、いつ戻って来られるともわからず、少ないお供の者たちだけを連れての須磨行きは、とても悲しい出来事でした。